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6月も目前、この季節になると気になるのが、毎年みなとみらい横浜で開催される”フランス映画祭”だ。
自分が映画を猛烈に追い変えている時期にちょうど開催が始まったこの映画祭に昔は足しげく通った。いつだったか仕事で行くことができなかったことがあってから、習慣が途絶えてしまった。ここ数年は開催すら忘れるようになってしまい、終わってから「あ!今年いくの忘れた!何をやっていたのだろう。」なんて決まり文句をつぶやくのが恒例行事になってしまった。
久々に開催前に気がつきスケジュールの確認にチラシが欲しくて日仏学院の敷地内にある洋書店”欧明社”を覗いた。チラシは6月1日入荷予定でまだなかったが懐かしい顔をした本に出合えて嬉しくなった。

映画祭開催当初の頃に一番夢中だった映画が『マルセルの夏』(日本公開91年夏)で、何度も劇場に通った。2部作として製作された続編『マルセルのお城』も大好きな作品になった。
当時発売されていた原作の文庫本三冊もかって読破した。当時の文庫の挿絵とはまったく違う絵のついたフランス語での原作本を見つけた。
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あまりに映画のイメージに似すぎていると思ったら、当然のことで、映画製作以降に編集されたバージョンらしく、2000年のエディションの表記が見える。
オリジナリティと言う意味では残念だけれど、アレンジと表現部分での味付けは”好きな素材”を元にしてる分だけたまらない。原作を元にした映画版、そこを通過して更に再生産された挿絵がついたというところでしょうか。
映画版では淡々と描かれる”道具を見張るシーン”や”昆虫採りにあけくれるくだり”がファンタジックなイラストになってるのがこの本の個性という気もします。
イラストはきれいなカラー作品もいいけれどラインを基調ととした絵の方がより味わい深いような気もします。

この作品は「愛と宿命の泉」の作者マルセル・パニョルが自分の少年時代をつづった自伝。登場人物である家族は実在の人物がいるのだけど、この本で初めて描かれた時代の実在の人物を見た。映画で慣れすぎてなんとも不思議な感覚で写真を眺めてます。


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原作「父の大手柄」の日本語版は評論社刊。
映画公開シーズンには映画タイトルに合わされたカバーがかけられたバージョンが文庫版として登場しました。
原作版、映画版ともども幸せな時間が味わえること確約。お勧めしたい一本です。(2本、三冊?)ちょっと前に2作品セットDVDも発売されました。
機会あればぜひ。